2年生のみなさんへ Vol.6 ~数学小話②~

『ぼくには数字が風景に見える』という書籍をご存知ですか。ダニエル・タメットという方が2007年に書いた本です。彼は、タイトルのように「数字が風景、形や色までも持ったもの」として見えるそうです。

これは複数の感覚が連動する「共感覚」という知覚現象で、数字だけでなく、音や言葉にも「色」を感じたりする人がいるそうです。

『数字はぼくの友だちで、いつでもそばにある。ひとつひとつの数字はかけがえのないもので、それぞれに独自の「個性」がある。11は人なつこく、5は騒々しい、4は内気でもの静かだ。』何を言っているのかぴんと来ないかもしれませんが、少なくともこの方にとって数字はこのように見えているのです。

実は私が小学生の頃、同じように文字に色がついて見えました。1は黄色で、2は青色といったようなものです。算数の難しい問題でも、頭の中で自然に数字が動いて答えを導き出すことができました。しかし、いつからかその感覚はなくなってしまいました。その結果、数学の問題はかつてのようにひらめきで解くことができなくなりました。しかし、その分、なぜこうなるのか、どうやったら自分の知識を生かして解くことができるのか、論理的に考えるようになりました。

話は変わりますが、世の中の道具には使いやすいように様々な工夫がしてあります。スープなどをすくうおたまの先が卵形になっていて注ぎやすいようになっていたり、教室で皆さんが黒板を見て文字を書く際に少しでも明るいように必ず左側に窓がついていたり、少しでもみなさんが快適に過ごせるような工夫が凝らされています。しかしこの二つの工夫は、どちらも左利きにとっては使いづらい要因となっています。

世界にはみなさんが思っている以上に、様々な特性、特徴を持った人がおり、ものごとに対して様々な見え方や、感じ方をする人がいます。日頃から全てを想定して行動することは難しいかもしれませんが、「11は人なつこく、5は騒々しい、4は内気でもの静かだ。」と自分の感じ方に自信を持って話すことの勇気と、自分には持っていない価値観を持っている人を否定せずに許容できる心のゆとりの両方を持った、大きな人間になってください。

 

2学年 数学担当より